2018年 04月 18日 ( 1 )

百萬円

2月の半ば頃だったようだ。
3人で映画を撮ると言う。
オムニバス形式で、草なぎさんは太田光監督。
太田さんは監督は2作目だと言う。
とは言っても素人が一人で撮れるものではないだろうし、それなりに人が付くんでしょうと思っていた。
しかし宣伝には格好だったようで、草なぎ剛を太田さんが撮ると言うので、結構な記事を読むことになった。
どれも面白可笑しく好意的なものだった。
しかし戦略ばかりが目に付いて、わたしは楽しめるのだろうかと不安の方が先に立った。
そんな気持ちを一遍で吹き飛ばしてくれたのが、草なぎ剛と尾野真千子の並びだった。
草なぎ剛を見て来て、かれこれ20年程になる。
こんなに似合う並びはあったろうか。
20年の歳月を思う。
この時二人は既に、工藤オサムと工藤裕子になっていたのだから、そう見えるのは当り前なのだけれど、目を見張る程、似合っていた。
俄然、映画が楽しみになった。
作品内容は想像するしかなく、結局涙を選んだ。

公開期間は2週間。
その前に思わぬ怪我をして病院通い。
行ける日は1日しか無かった。
結構な入りで久し振りに映画館で映画を楽しんだ。
太田光監督作品にも、映画にも満足した。
草なぎ剛身贔屓で見ると、太田光監督作品は三段目だった。
おのずと四段目切は、華やかで煌びやかなんだろうと想像が付いた。
出来ればもう一度映画館で見たいのだが、時間の工面が付かない。

その替わり。
工藤オサムと工藤裕子のスチールを見て真っ先に思い出したのが、三島由紀夫の「百萬円煎餅」である。
端本にしてしまった全集に入っている。
秘密を抱えた若い夫婦の話。
20頁程の短編だが、いざとなると中々読めないでいた。
いまさらだが、歴史的かなづかい、旧字体、活版。
発表は昭和35年。舞台は浅草六区。と山の手某所。
読み返してみると百萬円煎餅の夫婦は、まだ若々しいのだが、男には工藤オサムに似たものが見えなくも無い。
地図が読めない男と百萬円煎餅の仕舞いも重なる。
いたく悲しくて可愛いのである。


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by venuscat | 2018-04-18 22:30 | 日記